前面の円の直径は 75mm。手の平に乗る大きさです。本体はアルミの削り出しのヘアライン仕上げ。コップのような形状の胴体に、表側からユニットと文字盤を落とし込み、裏からネジで留めてあります。文字盤周囲のおもしろい形をした板状のパーツは、文字盤から少し浮いた状態で固定されています。長針は更にその上を回るようになっています。細い針はアラーム時刻指定用のもので、秒針はありません。
レンズは樹脂製で、これも表からセットされています。特別固定はされておらず、吸盤をくっつけて引っ張ったところ、少しずつ前にせり出てきて、最後はパコッと外れました。(レンズを磨きました)きっちり寸法出しされているため、簡単には外れません。
背面は残念な事に、ご覧の通り所々文字がかすれてしまっていてあまり良い状態とはいえません。
上下にあるのがユニット固定用のネジ、左上のネジは時計の進みや遅れの調整用、右のつまみはアラーム時刻指定(文字盤上の細い針がそれです)、真ん中のツマミは時刻合わせ用(押しながら回す)、左のツマミは、アラーム ON/OFF 用(引っ張ると ON)、最後に下のツマミがネジ巻き用(左に巻きます※右に回すとツマミが抜ける)です。
機能的にはどれも正常に動きます。メカ時計ですので、動きだすと、チッチッチッチと小さな音が聞こえます。アラームはりりりりりとゆっくりめな優しい音がします。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
この時計は、数年前とある骨董品屋で、その作りやデザインに惹かれ手に入れたものですが、そこのおやじさんは、時計についてはあまり詳しくないようで、とにかく、割りと古い時計だ、という事くらいしか教えてもらえませんでした。
近所に、創業明治20年(1887年)という古い時計の修理も受け付けている時計店があったので、そこへ持ち込み、この時計について知りたいと伝えたところ、昔の商品総合カタログに載っているかもしれないという事で、お店用の総合カタログを出してきてくれました。出てきたのは、1973年、1978年、1979年の3冊。
初めに手にしたのは1978年度版、Sの項を順番に見ていくと、なんとありました!次に1979年度版で探してみると、同社の該当ページには掲載されていません。この年にカタログ落ちしたという事でしょう。最後に1973年のを見てみると、なんとそこにも掲載されていました。という事は、1973年以前から作られていた可能性もありますね。そういう訳で、1970年代に作られたものであると思われます。
カタログには、その商品の注文番号と思われる数字と、「定価 14,000円、8日巻き時計」と書かれていました。
お店の主人の話では、この「SWIZA」(現在もありますね)の時計はどれも高かった。オリジナルパーツは出ないと思うけど、しっかり作られているのでメカ部分なら直せるだろう、との事でした。また、この「8日巻き時計」というのは、一回一杯まで巻くと8日間動き続けるという事で当時のそのカタログを見ると、多くの時計にその文字が書かれていました。この数字からすると、毎週決まった日時に巻けば大丈夫、という感じでしょうか。
文字盤の「SWIZA」の下の「8」の文字は8日巻きを意味しているのでしょうね。
登録日: 2001/11/01
!このアイテムは廃盤となっている様です。